2023年12月 吉日
事務局 河辺新一
経糸
皆様と、初めてのご対面となります。河辺と申します。
生まれた時から滑空機という世界が身の回り身近にありました。九州大学の佐藤博先生、日本滑空界の巨匠前田建一、滑空機製作で戦前は九州帝国大学の九帝シリーズを作って飛んできた田中丸治廣など多くの滑空人の中ではぐくまれてきました。
少しですが往年の滑空士の姿をお伝えできればと思い今回ホームページに挑戦致します。
人間の生きざまは「発明」「発見」が織り成す成果の上に成り立ってきました。
化石燃料がエネルギー革命を起こし、資源枯渇や大気汚染問題が原子力推進へ進み、危険を先取りした先に風力や太陽光エレギーとなってきました。
人はこの惑星の中で誕生してきたとき「何を一番に発明し」「何を発見」していたのでしょうね。とても興味があります。
話しがわき道にそれてきましたので話を元に戻します。
人の誕生は、「衣食住」という言葉にあるように、「喰う」より先に「衣」が大事にされてきました。
そこで、どこの誰かが草などの編み込みを考えだし、機織りにつながっていくのですがこの織機という世界がまた人生そのものなんです。
私は博多の生まれで博多織、久留米絣の久留米織に友人が沢山います。「河辺、機織りで一番重要なものがわかるか」という話し出て、「生糸だね」、と回答。間違ってはいないが「経糸」(たていと)だと教わったのは私が高校生の時。
経糸がしっかり貼られていないと左右から絡んでくる横糸の密着度が生まれない、西陣織も博多織も生糸のあの強靭な織り目は縦横の交差点が経糸の並行度、引っ張り強さ、からみ込んでくる横糸を受け止める力が決め手になる。「河辺君社会人になったら経糸になりなさい、からんでくる横糸をしっかり受け止めればそこに生まれてくる絡みの世界は広く展開し、見事な人生模様ができるんだ」と。
最近このいにしえの滑空界を紐解くとき、「ふと」頭をよぎったのが昔の賢者の教えでした。
経糸・・・そうなんだ、往年の滑空界の歴史を伝え残していくには誰かがこの経糸の役目を担っておかないと、ここがブツブツと切れてしまうと日本滑空の歴史は二度ともとに戻れない近況があるのではないかと思ってきました。
我々が経糸で歴史を継承できれば賛同いただく横糸の方々が織りなす絡みで糸という細い世界のX軸Y軸の交差点で糸の点と点が面になって、歴史という模様が浮かび上がって目視できるのではないでしょうか。
我々スタッフは日本いにしえの滑空歴史を継承できる「経糸」となっていきます、みなさまは経糸に左右から絡んでくる横糸になってください。
そこに生まれた「面積」が日本滑空史となって継承できるはずです。
何卒我々の活動にご理解とご協力お願いいたします。