更新 10月31日
頓所好勝様(以後敬称略)の奥様が頓所国子奥様(以後敬称略)です。私が頓所好勝の取材に入った時すでに頓先生は故人でした。ご対応は奥様でしていただきました。細身の体のどこにあのようなエネルギシュな活動を実行されたのか・・。とても細やかな気配りを頂き大和なでしこを絵にかいたようなご婦人でした。頓所好勝の活動を隅から隅まで知り尽くし、陰の存在ではなく常に頓所の横に立っての二人三脚は有名な話です。さて、取材が始まって、作業部屋にご案内いただいたとき、それは大きなショックがありました。壁のカーテンを開かれたその先は窓ではなく一面が升目に仕切られた工具や用具の棚となっています。恐る恐る近づき一つの引き出しは「航空ボルト」の各種が整然と小箱に入っています。中空ボルトなどまであります。国子奥様の話によれば「メーカーさんがサンプルと言っていろいろと届けてくださった」と。工作工具箱は見事に整理されています。特にカンナとノミ、胴つきノコを手に取って観察。しっかり手入れが終わっています。肩越しに国子奥様が「河辺さんって、主人と同じような目つきで手に持たれるのですね」。今回はご寄贈のご遺品の中で河辺が生涯背中に背負うものがありますのでまず公開いたします。詳細は後日お話できると思います。ドラマとはこのようなことを指し、そこに信頼関係が生まれ絆につながります。
頓所好勝・・・どこから手を付けて書けばよいかも・・わからない。第三者からの評価はきれいに分かれるものがあった。「絶対的な信頼感」と「やかまし屋」の二つである。企業から言わせると「そこまで厳しい検査は、、、、」であり、現場で携わる航空関係者は「頓さんの言うことにまちがいはない、」となっていく。さて皆様はどちらに手をあげますか?昭和30年終わりに日本航空が大型ジェット旅客機ダグラスDC8を購入をします。ダグラスの工場で日本から代表の航空検査官を派遣するのですが、政府はここぞとばかりに、企業から煙たい存在であった頓所好勝に全権を与え渡米させるのです。すでに頓所はロスのテスト飛行時に「排気ガスの色の濃さや離陸時の騒音にチェック」を入れたという有名な逸話があります。このサイトでは時系列に沿っていませんが頓さんの生き様をご覧ください。